建築主にはそれぞれ事情があり、家族構成や予算、年齢等によってできあがる家の広さは千差万別です。
牧之原市のこの家は、27坪の中に3SLDKという間取りを詰め込んだ形になりました。
いったいどうやって実現したんでしょうか?
さっそく見ていきましょう。
狭小住宅となった経緯
牧之原市に建つ27坪3SLDKの家は、広い土地にゆったりと佇んでいます。
一見すると狭小住宅というイメージではないですが、じつはシビアな敷地事情がありました。
もともと大きな土地に余裕持って建てられた母屋があり、その土地の一角を借りて親族が家を建てて住むことに。
そして、定期的に大勢がそれぞれ車でこの母屋に立ち寄るということもあり、車が複数駐車できるスペースを考慮する必要がでてきたのです。
それに加えて建ぺい率や電柱の位置の問題もありタイトな設計となりました。
土地の区切り方はすべて施工側に任されていて、実測によってギリギリの寸法を出しました。
古い測量図の場合、実際に現地でテープをあてて測ると大きく数字が違うことも。
実際に今回改めて作られた測量図は以前の古いものとかなり相違しています。
今回は浄化槽地域で、母屋の排水改修も同時に行うなど、水道の計画は少々苦心した部分でした。
狭小住宅の間取り平面図とプランニングのポイント
ではこの家の間取り平面図を見てみましょう。
1階平面図
2階平面図
特徴的なのは玄関の位置と形状ではないでしょうか。
斜めに設置しているのは1階の壁ギリギリに車が停まることがあるため、このように内側に凹ませて計画しました。
リビングが6帖程度の広さとなっていて、さらにダイニングのカウンターと椅子によってより狭くなっています。
リビングというのは家族が集まり同時に色んな活動をすることがあるため、できるだけ広くしたいものです。
しかし、生活サイクルが家族間で違うことから、共用スペースよりも個室を充実させたいという要望がありました。
プランニングのポイントがいくつかあります。
- 間口を2間(3.64m)に抑える
- 1階に寝室が必要
- 2階に2部屋とサービスルームが必要
- トイレ内にペット用トイレスペースが必要
リビングは狭くても良いということで、このような間取りに落ち着きました。
サービスルームとは何か?
サービスルームはこの家でいうと2階の階段ホールにある部屋です。
このサービスルームとは居室ではない部屋のことで、用途は納戸や書斎など。
建築基準法で決められた窓の大きさなどを満たさなくても良い部屋となっています。
最近ではDEN(デン)と表記されていたりしますが、このDENとは何かというと、英語で洞穴や動物のねぐらといった意味です。
広さに決まりはなく、用途が決まっていないけど予備室として設けておきたい際に、サービスルームとする例も。
ネットでサービスルームやDENを画像検索するとけっこう素敵な写真がたくさんでてくるので、参考にしてみては?
畳のサービスルーム(イメージ)
静岡県で建築を考えている場合、リアリゼに相談すれば思い描いたようなサービスルームを実現できます。
写真をたくさんスマホに貯めて訪れてみましょう。
トイレ内ペット用トイレスペースとは
トイレ内にペット用トイレスペースを設けることになっていましたが、平面図ではいったいどこにそれがあるかわかりませんよね?
この家は階段下に1階のトイレを配置しています。
トイレの奥の方をよく見ると、回り階段部分にすこしスペースらしきものがありますね。
写真で見てみましょう。
トイレ内ペット用トイレスペース
標準的なトイレの幅ってかなり狭いので、できるのかな?と不安でしたが、完成してみればけっこうちゃんとしたスペースですし、これなら出し入れも余裕だと感じました。
もしこういうのを思いついて、住宅会社に無理だと言われても諦めずにこの写真を見せてみましょう。
ということで、今回は牧之原市27坪3SLDKの家の紹介でした。
小さな面積にたくさん部屋を入れたいときの参考にしていただければ幸いです。