静岡市葵区のH様邸は、狭小地の限られたスペースを最大限利用した3階建て住宅です。
H様邸の場所は高度地区の指定があり、制限をクリアするために調査が必要でした。
ここでは、静岡市葵区で、高度地区と道路斜線制限をクリアした3階建ての事例を紹介致します。
1.静岡市の高度地区とは?
高度地区とは、建物の高さが制限されている地区です。
全国の自治体によって数値が違います。
高度地区を指定する目的は、市街地の良好な環境を維持するためです。
静岡市の高度地区の規定は以下の通り。
高度地区 の種類 |
最高 高さ |
各部分の高さ | 用途地域 |
---|---|---|---|
最高限度 1種 |
10M以下 | 前面道路の反対側の境界線又は隣地境界線までの真北方向の水平距離×1.25+5M以下 | 第一種低層住居専用地域 |
最高限度 2種 |
16M以下 | 前面道路の反対側の境界線又は隣地境界線までの真北方向の水平距離×1.25+10M以下 | 第一種・第二種中高層住居専用地域 |
最高限度 3種 |
19M以下 | 〃 | 第一種・第二種住居地域、準工業地域、工業地域 |
最高限度 4種 |
22M以下 | 〃 | 近隣商業地域の一部 |
最高限度 5種 |
31M以下 | 規定なし | 近隣商業地域の一部、商業地域の一部(蒲原地区・流通センター地区) |
H様邸は都市計画法の用途地域に位置していますので、上の表の「最高限度 2種」に該当します。
高さの最高限度が19メートルになっていて、斜線制限も
前面道路の反対側の境界線又は隣地境界線までの真北方向の水平距離×1.25+10M以下
ということで、ずいぶん余裕があるように見えますね。
しかし、建築基準法の道路斜線制限も検討し、厳しい方の数値が当てはまります。
なので、建築基準法の道路斜線制限を見てみましょう。
2.静岡市葵区の第一種住居の道路斜線制限とは
道路斜線制限は、建築基準法の第56条に規定されています。
建築基準法令集で確認してみると、
静岡市葵区のH様邸が位置する第一種中高層住居専用地域では、
道路の反対側の境界線から当該部分までの垂直距離に、道路境界線からセットバックした距離を加えたものに、1.25を乗じた高さ以下である必要があります。
文章ではわかりにくいので、図を作りました。
このように、道路の向こう側から引かれた斜めの線以内に家の高さを抑える必要があるんですね。
今回は、高度地区の規定よりも道路斜線制限の方が厳しいケースとなりました。
問題なくクリアして無事に3階建住宅が完成。
3.静岡市葵区3階建て注文住宅の建物計画
H様邸は約18坪の狭小地に経っています。
2階建てでは必要な部屋が収まりきらず、3階建としました。
1階に親世代の寝室、2階に共用のリビング、3階に子供室というふうにフロアを区切っています。
H様の希望もあり、子供の成長を見越して、親子それぞれのプライバシーの確保に配慮した計画です。
3階建てで注意すべき点は、3階の居室に避難用の出入り口を設ける必要があることです、
また、階段室〜玄関までを避難経路とし、壁や天井を不燃クロスで仕上げる必要もあります。
こうしたことから、各法令をきちんと理解して計画することで、スムーズな家造りが出来るんです。
リアリゼでは豊富な経験と知識で、安全安心な住まいを納得行く形で実現できます。