焼津市の注文住宅|26坪の間取りで家事動線を考慮して広く使う工夫

  • 26坪の間取りのシンプルデザインの家の画像

焼津市のI様邸は、40坪の不整形な敷地に計画されました。

限られたスペースを有効に使い、延べ床面積約26坪の間取りでコンパクトにまとめられています。

間取りで配慮した点と、デザイン上の工夫について見てみましょう。

1.注文住宅で26坪の間取りでの注意点

26坪の限られた空間で家事をしやすくするには、工夫が必要になります。

必要な部屋をムリに配置しようとして廊下が入り組んだり、デッドスペースができてしまう傾向があるからです。

一般的な住宅を設計する手順は、

  • 予算
  • 敷地広さと形状

を考慮して建物の大きさを決めます。

次に道路との位置関係を見て玄関の位置を仮決定。

そうしたら、二階の間取りを検討します。

意外ですよね。

一階の間取りを決めてから二階を検討すると、大きな手戻りの原因になるんです。

ただし、

二階にリビングがあるいわゆる「逆転プラン」の場合は変則で、一階から決めていく必要が出てきますね。

つまり、できるだけ整形にしたい部屋が
複数あるフロア
を先に計画して、比較的形に柔軟性があるリビング等は後でもOKということです。

I様邸は26坪というかなりコンパクトな部類なので、より緻密に二階を設計する必要がありました。

2.注文住宅の26坪の間取りで最優先した動線とは?

I様邸で最優先した動線は、洗濯物を干すルートです。

敷地は真北方向からやや反時計回りに傾いた縦長の形をしていて、南東の角が斜めにカットされたような不整形です。

そのため、南東にできるだけ寄せないと駐車場スペースを十分に確保できません。

ところが、北西側にあまり家を寄せてしまうと、今度は洗濯物を干す動線を確保できなくなってしまいます。

その問題は絶妙な配置計画でどうにかクリアできました。

そして、洗濯機のある洗面所から最短ルートで(リビングを縦断すること無く)、南側の日当たり良好なスペースに行くことが可能な動線計画ができました。

単に動線を確保しただけではありません。

勝手口を出てから雨に濡れることなく干し場へ行けるよう、二階のバルコニーの位置と二階の洋室の一部をオーバーハングさせて洗濯ルートの屋根を確保。

オーバーハングとは、一階より二階のほうがせり出した部分のことです。

  • キャンチレバー
  • 片持ち梁

と言ったりもします。

↓オーバーハング
注文住宅のオーバーハングの画像

木造の場合、オーバーハングは強風や地震による外力に対して不利になる可能性が高いです。

計画には構造的な制限があるので注意しましょう。

スパン表や構造計算を利用して安全に配慮する必要があります。

3.注文住宅の26坪の間取りで二階を親子三人で暮らしやすくする工夫

I様邸は三人暮らしです。

それぞれ生活リズムが違うため、二階にはそれぞれに個室が必要です。

さらに各室には十分な収納も求められます。

親の部屋となる主寝室はウォークインクローゼットを設置して、衣類以外の季節物なども収納可能に。

↓ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットの画像

主寝室以外に大小の収納付き個室を配置。

夜の生活の場となる二階にもトイレを設け、深夜に階段で一階に降りる必要のない計画としました。

トイレ内には小物やペーパーの補充用に作り付け棚を設置する工夫も。

↓トイレの作り付け棚
トイレの作り付け収納を壁埋め込みにした画像

二階の面積は13.5坪というコンパクトなもので、廊下の位置と大きさを工夫する必要があります。

I様邸の二階の廊下は必要最低限の大きさとなっています。

こうしたコンパクトな二階の廊下の計画は、ゾーニングの際に階段から各室への通路を確保してから詳細な検討をすることで可能となるんです。

↓I様邸の二階の廊下
1間の横幅のクローゼット折れ戸の画像

ゾーニングとは、建物の設計の初期段階に行うスケッチです。

大まかな部屋や設備のレイアウト計画を行いいます。

二階の部屋には必ず階段からのルートが必要です。

部屋の位置から考えるのではなく、廊下をシンプルな計画とすることを最優先にゾーニングすることをおすすめします。

4.注文住宅で26坪の場合のデザイン上で可能な工夫

I様は、極力シンプルなデザインを希望されていました。

全体の統一感を出すために白を貴重としたコーディネートとし、

  • 壁とサッシ(窓や外部ドア)
  • 床(フローリング)
  • 内部ドア

明確に配色を区切ることでメリハリを出しています。

壁には、

  • 巾木(床との取り合いにある見切り材)
  • 廻り縁(天井との取り合いにある見切り材)

も含んでおり、それぞれもクロスと同色の「白」で統一しています。
奥様はキッチンにビビットな赤を希望されましたが、インテリアの統一感を損わない方法も同時に模索。

結果、キッチンをリビングに向かって対面配置することとして、造作した腰壁にくっつけて設置しました。

赤い色はキッチンに立った際に見えるけど、リビング側からは白い腰壁が見えるようになっています。

↓I様邸の赤いキッチン
キッチン扉の色を赤にした画像

こうすることで、お気に入りのデザイン家電や小物、収納家具等の存在感がさらにアップします。

どうしても大金をはたいて購入する家なので、色んな色や柄を選びがちです。

しかしI様に関しては、デザイン上の美術館効果を意識した色決めをされていて関心しました。

美術館はほぼ白い配色で統一された空間になってます。

これは展示品を引き立たせる目的があるためです。

家にも同じことが言えます。

生活を包む箱である家本体にはあまり装飾せず、設置する家具や小物、家電や照明器具等を引き立たせる工夫をすると良いですね。


以上、今回は焼津市の注文住宅で26坪の間取りを工夫した事例の紹介でした。

家事動線を考慮して、限られた空間を広く使う工夫が参考になれば幸いです。

最後まで見ていただきありがとうございました。

次の記事もお楽しみに。

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